小児アレルギー
当院は、以下のような小児アレルギー疾患の診療も行っております。
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性鼻炎
- 食物アレルギー
気管支喘息
気管支喘息は、気道(空気の通り道)に炎症が続く病気です。発作が起きていないときも気道の粘膜に炎症があり、気道が狭くなりやすい状態にあるため、風邪などをきっかけに咳や息苦しさが現れることがあります。
治療では、発作時に症状を和らげることに加え、発作がないときも気道の炎症を抑える治療を続けることが大切です。治療を続けることで、風邪をひいたときなどにも発作を起こしにくくし、症状を気にせず過ごせる状態を目指します。
喘息の重症度や必要な治療は、お子さまによって異なります。当院では、診断した際に治療の目的や大切さを丁寧にご説明したうえで、経過を診させていただきながら、その子にとってより適切な治療を一緒に選んでいきます。
また、ハウスダストやダニ、たばこの煙など、喘息を悪化させる要因への対策も重要です。こまめな掃除や寝具の手入れ、カーペットの使用を控えるなどの環境づくり、受動喫煙を避ける工夫についてもお伝えし、お子さまの生活に合わせて、無理なく取り組める方法を一緒に考えます。
喘息の治療は、長くかかることが多い病気です。だからこそ、お子さまとご家族が前向きに治療に取り組めるよう、成長や症状の変化に寄り添いながら、治療内容を見直し、環境を整えていきます。お子さまとご家族の伴走者として、健やかな毎日を支えられる診療を心がけています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚の症状だけでなく、お子さまの生活や気持ちにも影響することがあります。強いかゆみで夜ぐっすり眠れず、その影響がご家族の睡眠にまで及ぶことも少なくありません。また、皮膚の見た目が気になったり、お友達からの言葉に傷ついたりして、自信を持てなくなるお子さまもいます。
当院では、皮膚の症状を改善することに加え、お子さまとご家族が安心して毎日を過ごせることを大切にしています。かゆみや睡眠、日常生活での困りごと、気持ちの面にも目を向けながら、一緒に治療を進めていきます。
治療の土台となるのは、皮膚をやさしく洗い、十分に保湿する毎日のスキンケアと、ステロイドなどの塗り薬で炎症をしっかり抑えることです。塗り薬の効果を十分に得るには、薬の種類だけでなく、適切な量を正しい方法で塗ることも欠かせません。
そのため当院では、お薬を処方するだけでなく、皮膚の洗い方や、保湿剤・塗り薬の使用量、塗り方についても丁寧にお伝えしています。再診時には、使いかけの保湿剤や塗り薬をお持ちいただき、使用量や塗り方、ご家庭でのケアで困っていることを、お子さまや保護者の方と一緒に確認します。それぞれのご家庭の生活に合わせて、無理なく続けられる方法を一緒に考えていきます。
お子さまがぐっすり眠り、遊びや学校生活を楽しめること。そして、ご家族も穏やかに過ごせること。そうした毎日を支えられるよう、皮膚の症状だけでなく、生活や心の面にも寄り添う診療を心がけています。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、ダニや花粉などの原因物質(アレルゲン)によって鼻の粘膜に炎症が起こり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れる病気です。花粉が飛ぶ季節に症状が出るタイプと、ダニなどが原因で一年を通して症状が続くタイプがあります。
当院では、鼻水の症状があるお子さまには、鼻の中の粘膜の様子をしっかり確認しています。症状の経過と粘膜の様子をあわせて、アレルギー性鼻炎の可能性を検討し、治療方針を一緒に考えていきます。
治療の基本は、原因となるアレルゲンを身の回りからできるだけ減らし、接触を避けることです。そのうえで、症状の経過や鼻の粘膜の状態に応じて、抗アレルギー薬の内服や鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)など、お子さまに合った治療を選んでいきます。
また、当院では舌下免疫療法も行っています。スギ花粉やダニによるアレルギーに対して、原因となるアレルゲンを含む薬を舌の下に含み、体を少しずつ慣らしていくことで、症状の長期的な改善を目指す治療です。継続して治療を行う必要があり、開始にあたっては、治療の対象となるかどうかを確認します。保護者の方も、ご自身が対象となる場合には、お子さまと一緒に治療を受けることができます。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となるアレルゲンを用いて行う治療法です。
薬物療法やレーザー治療のような対症療法とは異なり、根本的な観点からアレルギーを治療し、体質改善が期待できる治療方法です。
現在は、スギ花粉症とダニのアレルギー症状に対する治療が可能です。
いずれも5歳以上から治療可能となります。
少しずつアレルゲンを投与し、身体をアレルゲンに慣らしていくので、治療期間は4~5年と長期となります。
舌下免疫療法の診察の流れ
初回診察:治療適応の判断
まずは問診や診察でアレルギー性鼻炎の診断で正しいか、確認をしていきます。
舌下免疫療法の治療の大前提として、スギやダニにアレルギーがなければ、治療はできません。
鼻汁検査や血液検査を行い、スギやダニアレルギーであるか判定します。
当院では、痛みの少ない、お子さまにも苦痛が伴いにくい血液検査を行っております。
2回目の診察:結果説明・治療開始前の詳細な説明
検査後、約1週間後に結果を聞きに来ていただきます。
スギやダニにアレルギーがある場合は、舌下免疫療法開始前の説明をします。
| 実際の服薬方法 | |
|---|---|
| 治療で起こりうる副作用 | |
| 日常生活の注意点 |
などのお話をさせていただきます。
また、アナフィラキシーなどのリスクについても説明させていただき、同意書をお渡しします。
そして次回使用する薬を処方いたします。
3回目の診察:初回投与
2回目の診察で処方した薬を持参いただき、いよいよ実際に院内で投与を行います。
スギもダニも、どちらもアレルギーの原因物質(アレルゲン)を体内に投与する治療です。
実際にアレルギーがあって困っている人に、そのアレルゲンを入れるのですから、何かしらのアレルギー症状が出る可能性があります。
特に初回投与してから30分以内は強い症状が出る可能性がありますので、実際に薬の投与を指導し、ご自身(ご家族)で投与を行っていただき、院内で症状が出ないかどうか観察します。
30分経過し、問題がなければ帰宅可能です。
翌日からご自宅で服薬を続けていただきます。

舌下免疫療法に関するQ&A
舌下免疫療法には、どのようなメリットがありますか?
スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎に対して、原因となるアレルゲンに体を慣らし、長期的な症状の改善や寛解(症状が落ち着いた状態)を目指す治療です。
症状が軽くなり、症状を抑える薬の量を減らせる可能性があります。また、十分な期間治療を続けることで、治療終了後も効果の持続が期待できます。ただし、効果には個人差があり、すべての方で症状がなくなるわけではありません。
舌下免疫療法には、どのようなデメリットがありますか?
効果が表れるまでに時間がかかる治療で、すぐに症状を抑えるものではありません。また、数年にわたって毎日薬を服用し、定期的に通院する必要があります。
口の中のかゆみや腫れなどの副作用が起こることもあります。
治療には、どのくらいの期間が必要ですか?
一般的には、3~5年程度が治療期間の目安で、長期的な効果を得るためには、3年以上の継続が推奨されています。
症状が改善しても自己判断で中止せず、治療の効果や副作用を確認しながら、医師と相談して継続期間を決めます。
効果はどのくらい期待できますか?
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が軽くなり、症状を抑える薬の使用量が減ることが期待できます。ただし、効果の程度や現れる時期には個人差があり、十分な効果が得られない方もいます。
スギ花粉症では治療開始後の初めての花粉シーズンから、ダニによるアレルギー性鼻炎では治療開始後数か月頃から、効果が期待されます。長期的な改善を目指すため、年単位で継続することが大切です。
治療はいつから始められますか?
スギ花粉症の場合、スギ花粉が飛散している時期に新たに治療を開始することはできません。当院では、原則として6~12月に、花粉の飛散状況を確認したうえで開始しています。
ダニによるアレルギー性鼻炎の場合は、季節にかかわらず開始できます。いずれの場合も、体調や持病の状態などを確認して開始時期を決めます。
舌下免疫療法はどのように行いますか?
1日1回、スギ花粉またはダニのアレルゲンを含む錠剤を舌の下に置き、1分間保持した後に飲み込みます。その後5分間は、うがいや飲食を控えてください。
初回は医療機関で服用し、少なくとも30分間、副作用がないか確認します。2回目以降は、医師の指示に従って毎日ご自宅で服用します。
どのような副作用がありますか?
主な副作用には、以下のようなものがあります。
・口の中や舌、唇のかゆみ・腫れ
・口内炎
・喉のかゆみ・刺激感・違和感
・耳のかゆみ
・頭痛など
特に治療開始後の初期には、口の中などの症状が出やすいことが知られています。多くは徐々に軽くなっていきます。
また、稀ですが、ショックやアナフィラキシーなどの重篤な副作用が起こる可能性があります。息苦しさ、急な喉の腫れ、全身のじんましん、強いめまいなどが現れた場合は、服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
何歳から治療できますか?
一般的には、5歳頃からが目安です。薬を舌の下に1分間保持できることに加え、治療について理解し、体調の変化や副作用を伝えられることなどを確認して判断します。
5歳未満のお子さまでは、有効性・安全性を評価する臨床試験が実施されていません。治療を開始できるかどうかは、診察時にご相談ください。
保護者の方も、お子さまと一緒に治療を受けられますか?
はい、可能です。お子さまと保護者の方が、それぞれ治療の対象となるかを確認したうえで、親子で一緒に治療を受けることもできます。ご希望の方は、診察時にご相談ください。
スギ花粉症やダニアレルギーがあれば、誰でも治療できますか?
すべての方が治療を受けられるわけではありません。症状と血液検査などの結果から、スギ花粉症またはダニによるアレルギー性鼻炎と診断された方が対象です。
治療を受けられない方
・重症の気管支喘息がある方
・この治療薬で過去にショックを起こした方
・妊娠中の方(当院では、妊娠中の方への新たな治療開始は行っていません)
慎重に判断が必要な方
・β遮断薬などの薬を使用している方
・心臓・肺の病気、免疫系の病気などがある方
持病や使用中の薬について、事前にお知らせください。治療中に妊娠がわかった場合は、自己判断で中止せず、医師にご相談ください。
食物アレルギー
食物アレルギーの診断では、詳しい問診がとても重要です。アレルギー検査の結果だけで判断するのではなく、何をどのくらい食べたときに、どのくらいの時間で、どのような症状が現れたかなどを丁寧に確認します。
当院では、付き添いの保護者の方からお子さまの症状や普段の食事の様子を伺い、必要に応じて検査を行っています。問診と検査結果を総合的に判断し、必要以上に食べられるものが減ってしまわないよう、一人ひとりに合った対応を大切にしています。自己判断で食べるのをやめてしまう前に、まずはご相談ください。
食物経口負荷試験など、さらに詳しい検査が必要と判断した場合には、検査が可能な医療機関をご紹介します。
食物アレルギーについて気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。




