むらまつ小児科

不必要な検査・投薬はなるべく避けるようにしています。

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インフルエンザ簡易迅速検査

インフルエンザ簡易迅速検査

千葉市医師会の運営する休日夜間診療所は、流行時のインフルエンザ簡易迅速検査は原則行わないむねを市民に通知した。2017.2

理由は 1検査の結果は間違いも多い。2検査は診療に必須のものではない。
 診察した医師が必要と認めれば、抗インフルエンザ薬の処方はするという。
 

 
 
検査にはすべて偽陽性(過剰診断)、偽陰性(見逃し)がつきものです。インフルエンザでないのに陽性にでるのが偽陽性、インフルエンザなのに陰性にでるのが偽陰性。
 
インフルエンザの場合、反応時間が足りなくて偽陰性となるのはよく知られていますが、十分に反応時間をとって陽性に出た場合でも、全てがインフルエンザではありません。偽陽性があります。そしてその陽性的中率(陽性に出たもののうち真の陽性の割合)は流行状況によるのです。(ベイズの定理)
 
感度95%、特異度98%の場合、10人に1人がインフルエンザの状況では、陽性的中率は0.84ですが、100人に1人がインフルエンザの状況では、陽性的中率は0.32になります。
 
感度、特異度が落ちれば陽性的中率は下がります。(感度90%、特異度95%の場合、0.84は0.67、0.32は0.15に低下します。)
 
 
偽陽性の多い流行初期には陰性的中率は、ほぼ1.0(100%)
 
 2人に1人がインフルエンザのとき(感度90%、特異度95%の場合)陰性的中率は0.9(陽性的中率は0.95)   流行が1/2(2人に1人)を上回ると陰性的中率は急激に下降する。
 
(事前確率0の時の陽性的中率は0陰性的中率は1  事前確率1の時の陽性的中率は1陰性的中率は0  陽性的中率と陰性的中率の曲線はほぼ左右対称)
 
 
流行が1/2(2人に1人)を下回ると、陰性は信用できるが陽性は信用できない。 流行が1/2(2人に1人)を上回ると、陽性は信用できるが陰性は信用できない。(流行初期には陽性であってもインフルエンザでないことが結構ある。流行最盛期には陰性であってもインフルエンザのことが結構ある。) 
 
検査に都合のよい状況は限られる。 但し、検査は発症からの時間を十分取っての条件付きで。
 
 
本当に知りたいのは、流行初期の陽性と流行最盛期の陰性。迅速検査はこれらに答えることが出来ない。
 
 
迅速検査は流行初期には偽陽性が多い。(反応時間が足らない疑陰性もある) 早期発見にこだわると過剰診断が増える。
迅速検査は流行最盛期には偽陰性が多い。(反応時間が足らない偽陰性も加わる) 流行最盛期の陰性はあてにならない。(流行最盛期の陽性は当たり前) 陰性の場合、検査で個々の感染の有無はわからない。治療の指針にもならない。
 
 
キットの説明書には次のような記載がある。
 
①測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状やほかの検査結果などと併せて、担当医師が総合的に判断すること。
②本品での陰性結果は、インフルエンザウイルス感染を否定するものではない。
 
 
迅速検査は、流行期に陽性であればインフルエンザ感染の可能性が高いというだけの検査。でも、そんなことは流行期で熱を出せば検査をする前から分かっている。
 
 

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